β石膏とα石膏

β石膏は原料の二水石膏を大気中で加熱し、二水石膏の結晶形状のまま結晶水が抜けたものです。
α石膏は圧力釜で加圧水熱加熱され、熱水中で再結晶させたものです。
β石膏・α石膏ともX線解析でも区別ができず、結晶構造に差はないですが、結晶形状には大きな差があります。
また、β石膏・α石膏とも100gの水和に必要な理論水量は全く同じですが、α石膏は緻密で少ない水で練和できるため高強度となります。
β石膏は多孔質な結晶形状のため、α石膏と比較すると練和水が多く必要で強度は低くなります。
名称/化学式 β型半水石膏 α型半水石膏
結晶系 三方晶 三方晶
比重 2.64 2.76
標準混水量(%) 90 35
硬化時間(分) 25~35 15~20
硬化膨張(%) 0.16 0.28
硬化膨張(%) 0.16 0.28
ヌレ圧縮強度(kg/cm2) 28 280
乾燥圧縮強度(kg/cm2) 56 560
製造方法 大気中加熱法 加圧水蒸気加熱法
加圧水溶液加熱法
二水石膏見本
二水石膏見本
β石膏見本
β石膏見本
α石膏見本
α石膏見本

石膏石灰ハンドブックより

  • ※α型半水石膏及びβ型半水石膏とも実際の構造(結晶系)上の相違はない。
  • ※α型は水 蒸気又は水の中で転移して結晶の形が整って緻密であるのに対して、
    β型は殆ど二水石膏の形のままで水が抜けたポーラスな状態になっている。
  • ※水和の反応速度については本質的にはβ型の方が早い。