使用済み陶磁器型材用石膏について

石膏使用済み廃型(故型)の発生経由

石膏使用済み廃型(故型)の発生経由
  • *陶磁器型材として使用済み石膏型は、廃型又は故型(フルガタ)と呼ばれる。
  • *1999年の焼石膏の製造量は58,000トン。陶磁器型材用石膏の製造量は20,599トン。焼石膏の原料として再利用されている廃型(故型)の割合は3%。
  • *陶磁器型材用石膏の廃型(故型)の行き先と推定発生量は陶磁器型材用石膏用途に限定すれば、10%程度あり再利用率は高い。窯業産地での廃型(故型)の回収システムが機能しているため。
廃型の用途 比率 推定量 増減傾向
焼石膏への再利用 10%程度 2,400トン 一定
セメント原料への利用 50~60% 13,000トン 減少傾向
産業廃棄物・その他 30~40% 8,500トン 廃棄場所不足

(セメント用に国内で使用されている2水石膏は、265万トン/年である)

廃型(故型)の化学成分分析結果例

*陶磁器型材として使用済み石膏型は、廃型又は故型(フルガタ)と呼ばれる。

石膏は肥料要素

肥料の6要素 カルシウム・いおう・マグネシウム・Ca2+・SO42-・Mg2+

肥料の3要素 チッソ・リン酸・カリ

※肥料の6要素には、硫酸カルシウム石膏)CaSO42H2Oを含みます

石膏使用済み廃型(故型)の発生経由

土壌コロイドの状態

土壌中のカルシウムの効果

石食品・農業における石膏利用

石膏の種類 用途 備考
2水石膏 豆腐凝固用 食品添加物
ビール酵母醸造用 食品添加物
キノコ培地用 マッシュルームの生産
土壌改良用 塩害の除去、農地の団粒化
半水石膏 石膏駒用 椎茸用石膏駒製作用
椎茸栽培用 椎茸の人工培地用
米栽培用 米の直播き栽培用
無水石膏 農薬用 乾燥用、担体用、増量用
無農薬合成用 合成過程の水分吸収用

2水石膏の基本物理性能

比重:2.32 溶解度:約0.2g/100ml

まとめ

使用済み陶磁器型材用石膏型は、廃型(故型)と呼ばれ、焼石膏の原料、セメント原料に利用されています。

近年、セメントに利用される廃型(故型)は、セメント自体の総生産量の減少及び安価な輸入天然原石や、排煙脱硫石膏へのシフトなどで、減少傾向にあります。一方、産業廃棄物として処理した場合、廃棄可能な場所の減少もあり、陶磁器の生産地では大きな問題になってきています。

使用済み石膏廃型(故型)は、高品質原料の利用により、使用後も高い純度であり、その有効利用は今後の大きな検討課題となると思われます。

※本資料は、当社技術研究所で解答案を作成しました。ご意見等お待ちしています。

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