塩化バリウム

  • 英名/和名/別名

    塩化バリウム
    Barium chloride【劇物】
    塩バリ

  • 化審法化学物質

    (1)ー79 安衛法 公表

  • CAS番号

    (無水物)10361ー37ー2(2水和物)

  • GHS分類ID番号

    309(10326-27-9)
    H26-B-078/R-032(厚·瑛26年度,10361一37—2)

  • 性状

    ●BaCl2·2H2O
    ●分子量(式量):244.28
    ●無色斜方晶系結晶
    ●比重3.10、120℃以上で無水物
    ●無水物の融点962℃
    ●水に可溶(20℃の溶解度35.7/100水一無水物)
    ●メタノールに可溶
    ●刺激性の苦味があり有毒
    ●硫酸塩と反応して水に不溶の硫酸バリウムを生じ、硫酸根の除去および定量に応用される

  • 規格

    JIS K 1414-92,試薬JIS K 8155-06(二水和物)、ISO6353-2-83(試薬)

  • 用途

    有機顏料、製紙、金属熱処理剤、硫酸根の除去剤、医薬品(レントゲン造影剤の原料)、雷子材料原料、堂光体原料

  • 製法

    無煙炭またはオイルコークスと重晶石を乾燥したあと、粉砕混合し、反射炉またはロータリーキルンで還元焙焼を行い硫化バリウムにする。この焙焼物を塩酸で溶解すると、塩化バリウム溶液が得られる。この液を濃縮し、脱鉄精製して結晶槽に入れ水冷して結晶を析出させ、脱水分離する。無水物は結晶(2水塩)を150℃以上に加熱すると得られる。発生する硫化水素はカ性ソーダ溶液などに吸収させる。

  • 取扱注意

    過酸化物は反応性に富み、貯蔵および使用上、火災の危険性がある。希ガス中または流動パラフィン中に保存。水と激しく反応し、水素ガスを発生。乾燥した不活性雰囲気中で取り扱う。
    消火剤:燃焼している金属に対して水を絶対に使用しないこと。ドライケミカル・砂・黒鉛
    保護具:防塵マスク、保護メガネ、保護手袋、保護靴、保護衣
    毒・劇物の廃棄法…(1)沈殿法 水に溶かし、硫酸ナトリウムの水溶液を加えて処理し、沈殿沪過して埋立処分する。

  • 毒性

    急性経口毒性LD50:45mg/kg(マウス)。許容濃度ACGIH0.5mg/m³(バリウム化合物,TWA)。RTECS=急性経口毒性LD50:118mg/kg(ラット)。
    可溶性バリウムはきわめて猛毒。
    応急措置:目に入った場合、すぐ流水で十分洗う。皮膚についた場合、石けん水で十分洗う。飲み下した場合、硫酸ソーダまたは硫酸マグネシウムを経口投与し、バリウムイオンを不溶性の硫酸バリウムにした後、胃洗浄を行う。

  • 適用法規

    消防法 第9条の3貯蔵・取扱いの届出物質政令別表第2省令第2条(塩化バリウム)(200kg)。
    毒·劇物取締法 第2条別表第2劇物。
    労働安全衛生法 施行令第18条、第18条の2(名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物)。
    船舶安全法 危規則第2条危険物等級6.1毒物(正6.1容器等級3)。
    航空法 施行規則第194条危険物毒物(M等級3)。