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歯科用硬質石膏の面荒れの原因

原因:印象材と石膏の相性不良

歯科用硬質石膏には、膨張抑制剤が添加されていて、特に超硬石膏では膨張を低くするために、より多く添加されています。この添加剤の中には、同時に硬化遅延効果を持っているものがあります。
一方、アルギン酸塩系印象材と寒天印象材には、その性能を出すための添加剤が入っています。
この添加剤は、印象してからの時間が長い程、印象面に滲み出してきます(離液現象)。
この添加剤の中には、石膏に添加されている添加剤の硬化遅延効果を増大する効果を持っているものがあります。
このため、印象面に接触している石膏の面だけが硬化不充分になり面荒れします。
(硬化の遅れた部分は、すでに硬化している内部の石膏に、硬化に必要な水分を吸収されてしまうため、時間が経過しても硬化できないままとなります。)

原因:表面活性剤と石膏の相性不良

ラバー系の印象材に利用される表面活性剤は、石膏表面に気泡が残るのを防止する効果がありますが、石膏の凝固遅延効果を持っています。
このため、コーナー部などの印象面に多量に残っていると凝固不充分になり面荒れします。

原因:印象面の清掃不良

唾液や血液には、石膏の凝固遅延効果を持っています。これが残っている部分は凝固不充分になり面荒れします。 また、水洗時の水分が印象面に残っていると、石膏の組織が緻密にならず、面荒れします。

原因:作業模型の取り扱い不良

印象より石膏模型を撤去するまでの時間が短い場合(石膏の完全な水和反応には、普通石膏で2時間、硬質石膏で3時間必要とされています。
そのままトリマーやスチームクリナーを利用すると、未凝固部分から、はがれ落ちるように面荒れします。
また石膏自体は、意外に溶解度が高く(100ccの水に0.2g溶解する。)、水に長時間接触すると表面から溶解し面荒れします。

面荒れした硬質石膏の電子顕微鏡写真

面荒れした硬質石膏表面

面荒れした硬質石膏の電子顕微鏡写真
未反応の大きな半水石膏の結晶が確認できます。

通常の硬質石膏表面

通常の硬質石膏表面
上記の要因から次の歯科用石膏面荒れ対策を実施したら良いことになります。

歯科用硬質石膏の面荒れ対策

面荒れを防止する操作手順→綺麗な模型→精密な補綴物

1.印象を撤去したら、直ちに流水で印象面内を洗い流し、水をよく振り切る。
2.唾液や血液は、柔らかい筆で除去する。
3.コーナー部の余剰水分は、ティシュペーパーなどをこより状にして除去する。
4.アルギン酸塩系印象材では、固定液(硫酸亜鉛または硫酸カリウム2%水溶液など)に3分間程度浸漬すると良い。
5.ラバー系の印象材で利用した表面活性剤は、水洗後エアーガンで吹き飛ばす。
6.歯科用硬質石膏と水は計量し、指定された時間練和する。
 (少なめの混水量で練和し、長いめの練和時間にすると、面荒れが少ない。)
7.印象を室内で長く放置しない。
8.石膏の注入は、一ケ所から流れ込むようにし、流れの先端部を必要な歯型部分に止めない。
9.印象より撤去した石膏模型は、乾燥しにくい場所で2~3時間以上保管する。
10.乾式トリマーを利用する。湿式の場合は、歯型部分だけでもワックスでカバーする。
11.スチームクリナーは、歯型部分に使用しない。
12.模型からワックスを除去する場合は、80℃の石膏飽和水を利用する。