石膏の耐水性
通常の石膏には、耐水性がありません。
石膏の板を作成して、一晩水道の蛇口の下で流水を流し続けると、穴が開いてしまいます。
その理由は、石膏の溶解度が意外に大きく、100gの水に約0.2gも溶解するためです。そのため、石膏製品は、水を使用する場所、外壁など室外での利用はできません。
逆に石膏が溶解することで、石膏の多様な用途につながっているとも言えます。
溶解性を利用する例として、豆腐の凝固用、陶磁器型材用、土壌改良用、アルギン酸塩印象材凝固用などがあります。
耐水性を上げる方法
- (1)撥水剤・ペイントを塗布する。(水と接触しなければ、溶解しない。)
- (2)樹脂複合材料とする。(アクリル、メラミン樹脂などで石膏複合材料とする。)
- (3)カルシウムと反応して不溶化するものを塗布する。(カリ石鹸、カルボン酸塩)
簡単な耐水性付与法
- (1)水溶性アクリルペイントは、塗布するだけで耐水性が増しますが、石膏と練和することで石膏との複合材料にできます。石膏重量の5~10%程度で試して下さい。但し、完全に乾燥しないと性能がでません。
- (2)カリ石鹸を塗ってはふき取りを繰り返すと、不溶性のカルシウム石鹸となり、耐水性が改善できます。
- (3)耐水性のある製品を購入する。 当社の工業用石膏でRC-150、RCL-100は、そのままで耐水性がかなり高い製品です。
※以上の方法でも、完全な耐水性は付与できません。安くて効果の高い方法があれば、石膏の用途拡大につながります。